前回記事でメルーナカップ(月経カップ)の使用レビューと選び方のポイントなどをお話ししました。
冒頭に大きく
と注意文を入れましたが、文字の通り、月経カップは医療用品です。
この記事では、選ぶ際、使う際に気を付けるべき基本点をご説明していきます。
- 月経カップが気になる
- 月経カップを安全に使用したい
- 月経カップのメリットだけでなくデメリットも知りたい
自分の身体に合うものを選ぶ

人によって体のサイズや月経は様々で、膣もそれぞれ異なります。
月経カップには大抵サイズ展開があり、どのサイズが一番合うのかを選んで使用します。
選ぶときに考えるのは
この一点です。
例えば、
という、自分の身体とは関係のない判断をすると、経血が漏れる原因になるだけでなく、取り出しにくくなったり、トラブルの原因になってしまいます。
特に、膣が短い体質用のサイズを平均的な膣の長さの方が使用すると、自分の力で取り出すのが難しいくらい奥まで入ってしまうことがあり、最悪の場合、病院に行って取り出す必要があります。
わかりやすい表が用意されていたり、各メーカー工夫されていますので、そちらを見て自分に合ったものを選んで下さい。
それでもわからない・不安な点がある場合は、購入前にメーカーやショップに問い合わせましょう。
無理に挿入・取り出ししない

月経カップに慣れていないときは、挿入できない・取り出せないと焦ってしまうことがあると思います。
「あ、焦っているな」と思ったら、いったん中断し、時間を置いて再トライしたり、深呼吸をして落ち着きましょう。
無理に挿入しようとすると、痛みや傷の原因になります。
また、折りたたみ方や体制が合わないと、痛みを感じたり入らなかったりします。
再トライの際は、挿入方法を変えるなど工夫してみてください。
不安がある場合は、潤滑ゼリーやコットン糸をあらかじめ用意しておくのもおすすめです。
雑菌に気を付ける

月経カップは、
- 月経期間前後は消毒
- 月経期間中は洗浄(外出時などはアルコールを含まないウェットティッシュで拭き取りも可能)
が必要です。
消毒は煮沸消毒や、消毒用ミルトンを使用した消毒をしてください。
期間中は、取り出した月経カップは専用のクレンジングか、刺激の少ないハンドソープなどで洗浄して使用します。
また、挿入時など、月経カップを触る際は、必ず手指を洗い、清潔なタオル、ペーパータオルなどで水気を取ってください。
洗浄が難しい場合は複数持ちを検討する

実際に外で使った時に体験したことなのですが、トイレによっては男女兼用でサニタリーボックスがなく、ごみ箱オンリーだったりします。
そういった場合、いくらウェットティッシュで拭き取りOKと言われても、経血のついたウェットティッシュは捨てにくい……
(そもそもナプキンすら捨てにくいです……どうしてるんだろ……)
複数個持っていれば、トイレットペーパーで拭き取って紙はトイレに流せます。
使用したカップはケースに入れて、新しいものを挿入するだけでOKなので、悩むことがありません。
衛生的にも、ウェットティッシュで拭き取っただけより気持ちがいいです。
使用可能時間を越えないように使う

タンポンを使用したことがある方はご存知かもしれませんが、TSS(トキシックショック症候群)という病気があります。
主にタンポンを使用可能時間を越えて使用した場合に発症する病気として知られています。
月経カップは、タンポンよりも長時間使うことができるものが多いですが、同じく膣の中に入れるものですので、注意が必要です。
必ず使用可能時間を守り、可能な場合はこまめに入れ替えることをおすすめします。
TSS(トキシックショック症候群)
病原体
黄色ブドウ球菌により大量に産生されるtoxic shock syndrome toxin-1(TSS-1)と呼ばれる菌体外毒素(exotoxin)が原因。黄色ブドウ球菌はこのTSS-1以外にも15種類の異なる毒素を産生することができるとされている。レンサ球菌によるものをSTSS (streptococcal toxic shock syndrome)と称する。
潜伏期間・主要症状・検査所見
突然発症で、高熱、低血圧、びまん性斑状紅皮症を認める。症状は急速に進行し、嘔吐、下痢、錯乱、筋肉痛、腹痛を呈するようになる。これらの症状は肝臓、腎臓、消化管、中枢神経系などの多くの臓器を障害する特性を示している。レンサ球菌の場合は黄色ブドウ球菌と異なり、軟部組織に感染症が存在する。
日本感染症学会
月経カップは身体のために正しく使って

月経カップは、憂鬱になりがちな月経期間を少しでも心地よく過ごせるアイテム。
私はとっても気に入って、もう手放せそうにありません。
ですが、手軽に思えても医療品。
デリケートな部分に挿入して使用するもの。
使用する前にきちんと調べ、安全に使ってくださいね。